明日 第65回 てんてん金曜公演
2009.11.27(金)PM 7:30
第65回 ライブ空間「てんてん」金曜公演
風(ふう)を歌う①
演 目
1 かぎゃで風節(御前風)
2 昔御前風節(稲まづん節)
3 花風節 本花風節(上條) 赤田花風節
4 湛水流 暁節揚作田節(揚げ・下げ)
5 二揚仲風節下出 二揚仲風節
5 白鳥節
演目に沿って簡単に解説する。
琉球古典音楽とは
琉球王朝時代、首里王府を中心に演じられた音楽の総称で、 一般的には王朝時代に誕生した三線音楽の事を指す 。
「風」の付く楽曲には「御前風」「花風」「仲風」がある。
御前風とは
琉球古典音楽の呼び方の一つ。 祝賀の座で演奏される五節(かぎやで風節、恩納節、長伊平屋節、中城はんた前節、特牛節)の総称。王府時代は、国王の御前で演奏される楽曲であったことに由来する。かぎやで風節のみを特称する時もある。
かぎゃで風節
今日の誇らしゃや
何にぎゃな譬える
蕾でおる花の
露行逢たごと
《歌意》今日の嬉しさは何に譬えようか。莟んでいる花が露に出逢って花開したようだ。
稲まづん節
今年物作りや
あんきょらさよかて
倉に積み余まち
真積むしゃべら
《歌意》今年の作物は豊作で 倉に積んでも余るくらいだ 野外に真積みするほどです。
早作田節
白銀臼中へ
黄金軸立てて
試しする摺り増する
雪の真米
《歌意》銀の臼に軸を立てて 試しに摺ってみると 雪のようなお米です
花風三題
花風節
三重城に登て
手巾持上げれば
早船のならひや
一目ど見ゆる
本花風節
三重城に登て
打ち招く扇
またもめぐり来て
結ぶ御縁
赤田花風節
梅でんす雪に
つめられて後ど
花の匂増しゅる
浮世でもの
湛水流とは
沖縄伝統音楽湛水流。湛水親方賢忠が創始し、琉球古典音楽の祖となる。後に誕生した野村流、安冨祖流より奏法、唱法で古い型を残す。現在7曲9種(作田節、首里節、ぢやんな節、諸鈍節、暁節の5曲と早作田節、揚作田節の2曲)がある。
幸地賢忠(1632-1683)→沢岻良沢(1653-1702)→新里朝住(1650-1713)→玉城朝薫(1684-1734)→奥平朝喜(1714-1766)→奥平朝昌(1728-1805)→伊志嶺朝撫(1763-1825)→亀川世倫(1767-1835)→名護良保1808-?→山内盛熹(1842-1916)→山内盛彬(1890-1987)→祖慶剛・平光雄→上里平三
暁 節
惜しむ夜やハ更けてヨティワ
明雲も立きゅりヨティワ
にゃまたいつヨ拝でンゾ
百気のびゅがヨ
揚作田節(揚出)
朝ま夕ま通て
見る自由のなれば
見ぼしゃうらきらしゃ
のよでしゃべが
揚作田節(下出)
面影のだいんす
立たなおき呉れば
忘れゆるひまも
あゆらやすが
仲風調
五五八六調、七五八六調の形式歌を仲風調と云い、上句は和歌、下句は琉歌と和琉混合の歌形である。特に玉城朝勲、平敷屋朝敏らは組踊、和文学等にすぐれた作品を数多く残している。
仲風調という歌体は和歌のリズムと琉歌のリズムをうまく接合し、従来の琉歌にない味わい深い歌体である
また、仲風節は音曲についても、歌持、声楽旋律、間の手などに駆使した巧みな技巧が取り入れられ、恋歌にふさわしい歌曲を作り上げている。
仲風調の音曲には今風節 赤田風節 仲風節があり、仲風節には本調子仲風節・本調子下出仲風節・二揚仲風節・二揚下出仲風節がある。今回の歌唱は
二揚仲風節下出
結ばらぬ 片糸の
逢わぬうらめとて
ンゾヨ つもるヨつ
ヤカラヤカラきひハヰヨ
二揚仲風節
誠ヨ一つの
うきよさめ
のよでい言葉の
ンゾヨ あはぬヨう
ヨシュラヨきゅがハヰ
最後の演目
白鳥節
『屋嘉比工工四』に白鳥節とあり、『琉歌百控』の独節流・覧節流にも白鳥節とある。嘉例吉で幸先きのよい曲といわれ、おなり神信仰と結びついた歌である。演奏会等で最後をしめる歌として知られている。
御船の高艫に
白鳥が居きょん
白鳥やあらぬ
思姉おすじ
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