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前回につづく 小弾と抜音
抜音が初めて出たのが御拝領工工四の凡例として「小字 : 小音並に抜音」であろう。松村が癖とも取れる奏法を凡例として記すだろうか。松村の言う「小字」は「小弾(クーバンチ)」であったり、「抜音(ヌジウトゥ)」であったりということである。工工四の譜面を気をつけてみると小字は開放弦「工」と「四」が中心であることに注目したい。赤田風節の場合1-11の「四」、5-3の「四」であり、これは小弾では無く抜音である。
あらためて小弾と抜音を定義しておくので読者のご検討を・・・。
工工四における小字は数曲以外は裏拍子位(偶数番目)か裏五分位にある音符で「合尺工」の尺、「尺工上」の工、「乙四合」の四のように裏五分位の音符は小字である。
「合尺工」の弾き方であるが合を弾いたときバチは中絃(ナカジル)に付いていてバチを取り直してから尺を小音でひくこれを「小弾」といい、「尺工上」の工、「乙四合」の四の場合は違う。「尺工上」では尺を弾くとバチは女絃(ミージル)に付いていてバチを持ち直しして工を弾くのではなくそのままバチを取り抜くように微音をだす。、「乙四合」の四も同様であり、これを「抜音」という。 つづく